2020年7月10日金曜日

日清戦争前夜の世界は弱肉強食の世界だった


日清戦争前夜の世界情勢

弱肉強食の世界
日清戦争は、欧米列強による植民地争奪戦の中で起きた

 アメリカヨーロッパで、19世紀後半から20世紀全般にかけ、第2次産業革命が起こり、電気、石油をエネルギーとする重工業化の波が押し寄せた。
 列強各国は、新たな消費地を求めアジア・アフリカに進出し、強盗的手段で、植民地化にまい進し、下記のような植民地争奪戦が行われた。

 日本も明治維新を成し遂げ、近代国家の仲間入りを果たそうとし、富国強兵策を取り入れ、台湾、朝鮮、中国へと手を広げていった。
 一方中国はある意味清朝が巨大でありすぎたため、近代化の波に乗り遅れ、さらには巨大な消費地を抱えていたために列強各国の絶好の餌食となった。しかし中国がアフリカと違い植民地に分割されるのを免れたのは、それまでに高い文化を誇り、世界に冠たる位置を維持していたからである。


20世紀初植民地Map
By Andrew0921


世界列強によるハゲタカ的世界の簒奪の背景や動機と考えられる出来事
  1. アフリカを奴隷の供給地と見るのではなく、地下資源などの工業原料供給地と、自国の工業製品の市場として見るようになった。
  2. 普仏戦争・・1870~71年ドイツ統一をめざすプロシャと、これを阻もうとするフランス(ナポレオンによる第2帝政)との間で行われた戦争。
    この戦争後フランスは第2植民地帝国として、世界各地の植民地化に乗り出した。
  3. ヨーロッパにおける世界的大不況(1873年から1896年にわたる世界的な構造不況である)により市場が萎縮していたこと 
  4. 第2次産業革命の結果、大量消費先を作り出す必要があったこと・・第2次作業革命とは、ドイツやアメリカで起こった産業革命は、石油や電力をエネルギー源とする鉄鋼・機械・造船などの重工業や化学工業中心とした。
  5. アジアへの侵略
南アメリカと植民地
 南アメリカが19世紀後半の列強による植民地化の毒牙から逃れたのは、南アメリカにおいては、北アメリカにおいてアメリカがイギリスから独立していたこと、さらに19世紀前半、フランス革命の影響を受けて、多くの国で独立を成し遂げていたことが幸いしたことも大きいと考えられる。

 さらに、1823年、アメリカ第5代大統領モンローによる、「モンロー宣言」がだされ、
  1. アメリカ大陸は,今後ヨーロッパ諸国によって将来の植民の対象と考えられるべきではないこと,
  2. アメリカはヨーロッパの政治に介入しないこと,
  3. ヨーロッパ諸国の圧迫その他の方法による西半球諸政府に対するいかなる干渉もアメリカへの非友好的意向の表明とみなすこと
  4. 要はアメリカ大陸に手を出すなという宣言も大きく影響していたと考えられる。

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